考察と主観

頭に浮かぶあれやこれやをなんとなしに書き付ける

義祖母に教わった事

 義理の祖母が他界した。

 着物が好きな方で、私が着物を着て結婚の挨拶に行くと大層喜んでくれた。その後もお正月に着物を着ていくたびに褒めてくれたし、結婚のご祝儀や新築祝いには驚くほど包んでくれた。貰うばかりではと恩返ししたくて米寿のお祝いに義祖母が義母に言っていた「着物を着たい」を実行しようと誘ってみるも断られてしまい次の案が出せないままだった。しかも余命1年と聞いてから1ヵ月足らずで逝ってしまった。

 

 遺品整理として義祖母の遺言通りに数々の着物が私の手元に。一堂に会したことのない義姉も好んで着物を着るので、生前に体躯の良い義姉には着られないから私に譲ってくれると言う提案に遠慮していたが、義祖母と義姉と三人で着物を広げて見られたらさぞ楽しかっただろうと思う。まだ袖を通していないのでサイズは分からないが、丁寧に保管された上等な仕立ての品で、色柄も私好みだった。義姉は義父に「趣味が近い」と報告していたらしい。私も同意だ。

 

 手を合わせてもお礼の言葉が届いた気がせず、香典を沢山包んでも祖母には届かない。生きてるうちに、会えた時にを大切にしなければならないと改めて教わった。