考察と主観

頭に浮かぶあれやこれやをなんとなしに書き付ける

考えるだけなら無料

 小学校でダムの勉強をした。

 暗記物が苦手な私は何処に何て名前のダムが有るとか地図を指すことも出来ないけれど、メリットとして、川の氾濫を防げるとか、水力発電施設を併設して電力を得ることができるとかそんな内容を聞いたのを覚えている。デメリットは「ダム湖に決まった場所に人が住んでいたとしても移住してもらってダムを建設するので生まれ育った故郷を追われてしまう人がいる」の一点だったように思う。これは「お気持ちは分かりますが…」と言いながら決定事項が覆ることがなく、沈めてしまったらもう当事者以外には過去の問題として流れていく(資料にある故郷を沈められた人達の声を読んで、小学生ながらに「反対が有ってもやるんでしょ」と感じた)。

 

 一般的な降水範囲が分かっていない私は川を覆いつくすような雨雲を想像していたので、ダムで川の氾濫を防ぐと言う事に半信半疑だった。テストはメリットデメリットを上げるデスカッション形式の問題点を記入する形だった。ディスカッションするからには視点は多い方が良いと思い「下流の水量を抑えるためダムの放流を止めたらダムが溢れるかも知れない。どちらを選ぶか迷う。」と記入して〇でも×でもない「?」を貰った。小学校教育の指導要領を超えたらしい(通じなかったと感じて寂しかったが、×で否定されなかっただけマシだと今なら思える)。こちらの問題のはダムが有る限り発生頻度が読めず、故郷を沈められてしまった人々の故郷を譲った甲斐が有ったかどうかも関わりそうなのにちっともその話にならなかったのが不思議だった。

 

 この道徳に使われるトロッコ問題に似た問題に数年前に答えが出た。ダムの限界は超えさせず放流。ダムを溢れさせて結局のところ土砂が下流域を襲うのは被害範囲が大きすぎるので、納得せざるを得ない。事前に避難してもらうのが精いっぱいだろう。

 

 沢山環境に手を入れて快適な生活を目指してきた人類はいつかこの豪雨もコントロールできるようになるのだろうか。発電量の問題はしつこく言わせてもらえば地熱発電。エネルギー変換で火山の活動を小さくすることも出来ないだろうか。