考察と主観

頭に浮かぶあれやこれやをなんとなしに書き付ける

安心安全国産品

 通勤で使っていないバイクは利便性と言うよりはカッコつけて乗るものだ、デザインでは海外の物が格好良いと思いつつ、「命を乗せて走るなら国産車」の考えは揺るがない。

 

しかし、「自社で作った製品を組み込んだ商品を買いたくない」

私がかつて務めた工場で聞いていた言葉だ。国内大手住宅メーカーに納品していた工場でも、自動車の部品を納品していた時も聞いた。知人に話すと大手食品関係に努める知人からも似たような話を聞いた事が有る、と。他の友人達からも「どこもそんなもんだよ」と返ってくる。

  恐ろしい。

  オーバークオリティが市場の回転を鈍らせたと言う話も聞いたことが有るけれど、良い買い物をしたと思える物にお金を払いたい。自分達で作ったものを胸を張って買えなければ、誰が作ったものを買えるのか。作るのも使うのも私達だ。

 

 今の職場は結構な高齢層が頑張ってくれている。昔の話を聞くと不具合で呼び出されると真剣に話を聞いて作業者一人ひとりが心に留め案を出し合って是正に努めてくれた様子がうかがえる。これがメイドインジャパンクオリティを作ってくれた人達なんだと実感した。今、品管に在籍し社内外の様子を聞くとシステム作りも担当次第だが、結局人為的ミスで発生し指摘も緩く上っ面の反省文に飽きてきた。それでも悪意がないミスだからマシなものの割合が多い。

 国産品は高い。海を渡る輸送費や関税を計算に入れても輸入品より高い事が多い。高くても日本製であるという信頼で購入を決めてもらえてるなら、このクオリティは維持してほしい。人件費の差が大きい話を耳にするが、その国産品価格を押し上げる人件費分の仕事へのモチベーションの落差が大きいと感じる。

 

 製造に努める主人は「品管は敵」と言うが、客が欲しいスペックを満たしているかどうか客観的にみているだけだ。逆に金を払う価値のない部品を供給されても無駄遣いだろう。割に合わないのは顧客の要求や自分達の仕事と下請けの仕事を安く見積もり続けた金額設定の積み重ねのせいだ。破格の価格競争に歯止めがかけられずに自分たちの首を絞めてしまったのところが大変辛い。それでも、資源が少ない日本は材料を購入して製品にして売り出す大きな工場で、そうして得た円の価値で食料を購入している。つまり品質を疎かにすれば、不況が国を襲い今の生活レベルの維持どころか家計管理では追いつかない程の食うに困る日が来てしまう。メイドインジャパンクオリティの信頼を裏切らない品質の維持はかなり重要ではなかろうか。